BROG

世界最大級の大型放射光施設SPring-8は大学などの研究機関だけでなく、企業の研究者も利用しています。103号は住友電工研究開発本部の久保優吾さんにインタビューさせていただきました。

住友電工さんは電線や工業用部品や半導体など、わたしたちが便利に使っているものの基礎となる技術を支えている会社。新しい技術が日々生まれて画期的な製品が世に送り出されていますが、生み出した新技術を使ってもらうためには、どんなメカニズムで成り立っているかまで説明することや、研究データによってしっかりとした裏付けをとることが必要になります。

そこでSPting-8の出番というわけです!

住友電工さんの新技術、車のモーターなど摩耗が激しい部分にも使えるはがれにくいフッ素加工のメカニズムをSPring-8で解明しました。


SPring-8 NEWS 102号

高機能フッ素樹脂コーティングの密着性向上メカニズムに迫る

~SPring-8を使った解析で製品の信頼を後押しする~

(PDF版はこちら


当たり前のように使ってる便利な製品も、企業の研究者たちが試行錯誤して生み出してくれたものだなあと思うと、世界がまた変わって見える。


国立大学付属研究所の研究者インタビューシリーズで大阪大学接合研究所レーザープロセス学分野の塚本雅裕教授を取材しました。

接合とはつなぎ合わせること。材料と材料をつなぐ技術がないと、ものづくりは成り立たない。そんなことを言われないと気づかないほど、わたしはもう身の回りにある生産品を何も考えずに当たり前のように使っている。

塚本教授は世界で初めて銅の加工ができる青色レーザーを実用化した実績をもつ。産業用レーザーの開発は日本のものづくりを支える重要なミッション。産官学が力を合わせなくてはやりとげられない。塚本教授は、研究室とものづくりの現場と政治の部屋をパワフルに駆け回り、次々とプロジェクトを実現させていくのです。

話を聞きながら、そのパワフルさに圧倒された。そして元気になった。全部の細胞が活性化して生きてるって感じ。道なき道を切り開いている感じ。その熱量の一部でもお届けできていたら嬉しいです。

記事はこちら

コロナ自粛明け、ひさびさの対面取材をさせてもらった記事が公開されました。


東京大学先端科学技術センター 研究者紹介フロントランナー

011:並木重宏 准教授

生物学の研究者であり、難病による車いすユーザーである並木先生は、病気や障害を抱えている人がアカデミアで活躍できるような環境を目指して、さまざまな活動・研究を行っています。

研究者を取材させてもらうといつも、研究内容以上に、研究者その人に魅了されるのだけど、今回も静かに心が震える忘れられない取材になりました。日本では障害をもつ人が研究できる支援はほとんど手つかずの状態。そこに当事者として道を切り開いていこうとしている並木先生の穏やかな笑顔を見ながら、世界の進化の始まりの段階に立ち会っているような気がしました。

ひとりの人ができることには限りがあるけれど、同じ未来を夢見た人たちが、想いをつなげていく。

記事を見た人の心に少しでも何かを届けることができれば、わたしもバトンの担い手になれるのかな。取材させてもらって感じたことや考えたことを、物語にもこめていきたい。

ひとつひとつ、魂こめて丁寧に誠実に仕事をしようと思いました。


専門知識のない一般の人にも放射線の影響がわかる「放射線の影響がわかる本(2020改訂版)」の編集協力を担当させていただきました。この本の著者は公益財団法人放射線影響協会。放射線影響に関する調査研究や、放射線業務従事者の登録・管理を行って、安心して放射線利用をできるようにする組織です。

放射線影響協会ウェブサイト

「放射線の影響がわかる本」は何度も改訂を重ねているのですが、今回、さらに多くの人にわかりやすく読んでもらうために、わたしが校正を任されました。光栄な重大任務! 

放射線は生命が誕生する前から宇宙にあって、生命は放射線の中で生まれ、放射線に対応して進化してきたわけで。それを人間が利用できるようになったというのは、すごいことだなと思いました。

原子爆弾や原発事故など、恐ろしい負の面もあるけれど、だからこそ、正しい知識を知って正しくつきあっていくのが賢いと思いました。地面からも放射線は出ているし、空からも降り注いでいるし、普通の何の汚染もされていない野菜からも出ている。医療でも利用する。でも、その程度が問題。

無料でウェブで公開されているので、きちんとした知識を得たい人は、ぜひどうぞ。

放射線の影響がわかる本(2020改訂版)


化学科出身なので少しは知識が合ったけれど、こんなふうに体系的に学ぶ機会はなかったので本当に面白かったです。仕事をすればするほど知識が増えていく。人生で今が一番勉強が面白いかもしれない。

国公立大学の魅力を届ける「国公立大学進学のすすめ」。朝日新聞社が毎年特集している企画ですが、今年は京都大学の取材を担当させていただきました(去年は大阪府立大学)。

フォーカスした研究者は、素粒子物理学の市川温子先生。ニュートリノとか、名前は聞いたことがあるけどイマイチよくわかっていないという人が多いと思います(わたしもそうでした…!)。ざっくり説明すると、ニュートリノというのは原子よりも小さな素粒子と呼ばれる物質で、宇宙からがんがん地球に降り注いでいるのですが、すり抜けちゃうし小さいし観測するのが難しいのです。それを何とか捕まえて性質を観測できれば、宇宙がどうやって始まったのかの手がかりがつかめるかもしれない。

どうやって何とか捕まえるかというと、ものすごく巨大な観測装置を作ってノイズのない地中に埋めて空から降り注ぐものをキャッチしようとしたり、はたまた巨大な装置でものすごい速さで原子をぶつけて人工的にニュートリノを発生させて、それを観測装置にぶちこんでみたり。そのために世界中の研究者たちが集って試行錯誤する。そんな巨大国際プロジェクトが日本で行われているのです。

日本は素粒子物理学の最先端を走っていることも、世界最大レベルのニュートリノビームが生成できる装置があることも、この取材を通して初めて知りました。

ぜひ、読んでみてください。
国公立大学進学のすすめ 京都大学

副学長のインタビューもあります。コロナ禍だからこそ聞けた話があって、本当に興味深かったです。あと在学生の話も。若者と話すと心が洗われました…!

雑誌としても11/24に発売されます。

コロナ時代の大学選び。大学進学を考える高校生や保護者にぜひ。大学もどんどん進化しているんだなって思いました。

国公立大学 by AERA 2021

2020年9月28日(月)にお手伝いした新書が出ます。


産婦人科医が伝えたいコロナ時代の妊娠と出産』 宋美玄・著 (星海社新書) 


発売前ですが見本誌が届きました。内容はかなり科学的ですが、おおたきょうこさんのイラストがところどころに入っていて、ほっこり読めます。

新書なのにイラスト入り。星海社新書、おもしろい。

(イラスト・おおたきょうこ)

著者の宋美玄先生は『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』が有名ですが、現役産婦人科医で医学博士で女性のリプロダクトヘルスに真摯に取り組んでおられる方。

コロナ禍での妊娠は分からないことも多くて不安がいっぱいだと思いますが、間違った情報に惑わされず、正しい情報を仕入れてしっかり自分で判断する手助けになる1冊に仕上がっています。これから妊娠・出産を考えている人やそのパートナーの方、本屋で見かけられましたら、ぜひ見てみてください。

公式サイトで試し読みもできます





2020年9月11日にひさしぶりのTL小説がメローチュ文庫さんからリリースされました。7万字の長編で電子書籍のみで発売です。TL小説というのは、女子向け恋愛ライトノベル(官能表現あり)というジャンルです。オトナの方はぜひ。
amazon(Kindle)

Renta! 

BOOK☆WALKER

めちゃコミック

honto

楽天Kobo

イラストは漫画家の上原た壱先生です。きらきらうっとりな表紙。

ブログを見ると前回小説をリリースしたのは2019年9月26日でしたので、1年ぶりになります。ひええ。何しとったの、わたし。小説家でしょ。…って去年のスケジュール帳を見てみたら、演劇脚本3本と朗読劇脚本2本書いていました。あと稽古してたわ。ライター仕事したり、大学の教科書書いたり。まあ、いろいろがんばってたから許してあげよう。小説を書くことだけが小説の修業になるわけではない。

とはいえ、小説と脚本は違うわけで、7万字というボリュームもひさしぶりなわけで、5月のコロナ禍の中で引きこもって執筆していましたが、書き上げたときに「わたしまだ小説書けた」と安堵しました。

今回書けても、次にまた書けるかわからない。そう思いながら小説を書いている。なぜ書けるのか、わからないのだもの。だから書けなくなったら、なぜ書けなくなったのかもわからないと思う。そういうこと、noteに書いたな。

やっぱり小説好きだな。いまはまた、いろいろな仕事と平行しながら小説を書いています。読んでくれる人に心からの感謝を。生かされているって思う。

エロありですが、とてもピュアな幸せな話が書けたので、読んでくれたら嬉しいです。

出演してしゃべります!理系ライターの仕事の話とか、博士が研究者以外でどんなふうに役にたつのかとか、楽しくお話します。他のゲストの方々も、わくわくするようなお話ばかり。あとから録画視聴もできますが、リアルタイムだとコメント飛ばしたり質問したりできるので楽しいと思います。あと、わたしも励まされます(笑)


参加無料なので、ぜひご覧ください。※事前申し込み必要

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第九回ケムステVシンポジウム

サイコミ夏祭り〜科学クリエイティブはサイコー!〜

開催日:2020年8月31日(月)19:00〜21:30

会場:オンライン

・講演者はZoom使用・YouTube Liveの限定URL配信

・録画は数日程度は限定公開

・URLは開催前日21時ごろに配布(前日21時以降の登録者には、開始10分前に送付)

定員:先着2000名(途中参加・退出・時間差視聴自由)

言語:日本語

参加費:無料

講演者:

野村 卓史 氏(science bar INCUBATOR 代表)

寒竹 泉美 氏(小説家・理系ライター(チーム・パスカル))

竹腰 麻由 氏(日本科学未来館 科学コミュニケーター)

小林 隆司 氏(物質・材料研究機構 広報室長)


詳細・お申込みはこちら


いやはや。理学部化学科出身のくせに、化学から逃げ、博士まで行ったくせに結局学会で口頭発表をしたことがないまま終わってしまったわたしが、まさか化学者の方々のシンポジウムで講演するとは。人生何があるかわからない…。

Chem-Stationは化学者たちが自ら起ち上げたポータルサイト。現役研究者のみなさんが寄稿している化学にまつわるいろいろな記事を読むことができます。記事を書くときに基礎知識を調べていると、よくこのサイトにたどりつきます。いろいろなトピックがあるし、たくさんの人が見ているし、そうすれば化学に関連の深い企業も協賛してくれるし、場の力で人がつながっていくし。新しいものが生まれていくし。なんだか生き物の進化みたい。心から活動を応援したい。

イベントの宣伝も兼ねて(お前誰だよってなるので)、記事も寄稿させていただきました。


理系ライターは研究紹介記事をどうやって書いているか

サイエンスの面白さを伝える理系ライターという仕事、わたしはとても気に入っている。もっともっと腕と心を磨きたいな。

お久しぶりです。6月7月の記憶があまりない…。緊急事態宣言明け6月からの予備校の授業と、突然飛び込んできたブックライティングのお仕事(8万字)と今までストップしていた仕事が動き始めたので、なんかもうひたすら走り抜けた日々でした。

そんな中、大学の通信教育部の2日間集中スクーリングを初めてオンラインでやりました。お互いパソコン越しの授業なんてできるんだろうか…と不安だったのですが、パソコン画面越しなのに顔と顔が向き合ってるから逆に近く感じたり、チャット機能を使って全員の意見をざっと一気に確認できたり、書いてもらったものを画面でみんなに見てもらいながら文章のアドバイスをしたりできたりなど、対面とはまた違った良さがあって楽しく終えることができました。

受講してくれた方々からもなかなか好評で、普段なら交通費をかけて京都まで来て宿泊もしないといけないので大変な出費なわけなんですが、それが遠方からでも交通費なしで受けられるし、家で受けるのでリラックスして聞けたというメリットもあったようです。

7月12日にはOBPアカデミアさんでマスクして感染予防に全力を尽くしつつ対面講座もやりました。対面もやっぱりいい。顔を見るとホッとする。ひとりひとりの雰囲気を感じ取りながらアドバイスができる。

と、前置きが長くなりましたが、この先、8/21と9/5-6にも講座を予定しています。もともと大阪で対面でやる予定だったのですが、新型コロナウイルスの流行が留まる気配がなく、来てくれる人の安全を守れるか心配なので、オンライン(ZOOM)で実施することにしました。オンライン、対面にはない良さがあります。教室を使わないため対面講座よりもお求めやすい価格を設定することができました。ぜひこの機会に、遠方の方もご参加ください。

恥ずかしがり屋の人は、ビデオオフ、音声オフ、当てないで!聞くだけ!モードでも参加できます。フィードバックをたくさんほしい人はがんがん発表してください

エッセイ講座と言いながら、自分の心を見つめる術と文章の基本がぎゅっとつまっています。特に2日間の集中講座はみんなで旅行ツアーに行くような感じで、終わった後に世界の見え方が変わると思います。東京で3月にやったのと同じ内容です。よかったらぜひ。お待ちしてます。


8月21日 19:00-21:00

自分の心を見つめるためのエッセイ講座〜自分の感情を言葉にしよう〜

詳細・お申込みこちら

9月5日 13:20-17:40  9月6日 9:30-17:00 (計10時間) 
エッセイ講座 日々の想いを作品で残す

※大阪藝術学舎で開催予定だった内容を同日同時間に行います。単位の修得はできません。

詳細・お申込みこちら



画像がないとプレビューがさみしいので。唐突な自撮り(アプリ加工済)、すみません。

兵庫県にある世界最高性能の放射光を生み出すことができる大型放射光施設SPring-8の広報誌の研究者インタビューを担当させていただきました。SPring-8は、簡単に言うと、ものすごい高性能なレントゲン。強くて精度の高い放射光を出せるので、普通のエックス線では見ることのできない深さの様子がわかったり、細かい原子や電子の様子がわかったり。

SPring-8でどんな研究がおこなわれ、どんな成果が出ているのかを研究者や一般の方々や理科好きの高校生に伝えるための広報誌がSPring-8 NEWSです。A4サイズのパンフレットですが、ウェブでも中身が公開されています。

100号でとりあげた研究は、筑波大学の丸岡照幸先生の地層の研究。太古の地層に含まれる化学成分をSPring-8で分析することで、恐竜をはじめとする生物の大量絶滅が起こった白亜紀―古第三紀境界の環境を知ろうという研究です。

宇宙から大きな隕石が降ってきて、それが大量絶滅の原因になったということは何となく聞いたことがあったけれど、それが地層に含まれているイリジウムという物質からわかったなんて知らなかったし、想像するしかないと思っていた6600万年前の出来事の「証拠」を化学分析で見つけられるなんて驚きだった。

よかったら読んでみてください。

SPring-8で解き明かす生物大量絶滅の謎 地層が記憶する6600万年前の環境

PDFバージョンはこちら

静かな情熱を秘めた先生で、丁寧に教えてくれました。イントロなどを書くのに背景知識が乏しかったので、丸岡先生が書かれたこの本で勉強しました!


96%の大絶滅 ―地球史におきた環境大変動 』丸岡照幸・著(技術評論社)

一般向けの分かりやすい本で面白かったです。もし記事を読んでもっと知りたいと思ってくれた方は、ぜひ読んでみてください。

※追記 2020.5.24
同じ内容の講座を大阪藝術学舎で9/5-6に行う予定でしたが、夏期の藝術学舎がすべて中止になってしまいました(涙)
が、あきらめません!大学との単位連携はありませんが、他の信頼できる機関と共催で同日・同時間・同料金で大阪で実施する予定です。ご予定をそのまま、詳細お待ちいただけると幸いです。
また別の日にZOOMでの開催も行おうと思っています。ネット越しだと2日間はちょっとしんどいですが、会場費がかからない分、お安く実施できたらいいなと思っています。こちらもまた詳細お待ちください。(締切が!終わったら!)


------------------------ここから4月18日に書いたものです------------------------

講座をしたりみんなで集まってごはん食べたりおしゃべりしたり旅行行ったり、という日々が、まるで半世紀も前のような気がしているこの頃です。みなさまいかがお過ごしでしょうか。

わたしは家でする仕事が多いので、ほかの人よりは普段と変わらない生活をしているつもりなのですが、取材や授業や飲み会や旅行などがなくなると息苦しく、人に会うことがどれだけ自分を支えていたのかが初めてわかったような気がしています。

東京藝術学舎での2日間集中講義は、2/29-3/1というタイミングでした。まだ国からのお達しや要請はなかった時期でしたが、国からの要請で感染リスクが左右されるわけではないし、受講者さんに危険が及ぶのではないかと、ぎりぎりまで大学側に延期や中止の交渉をしましたが、この日まで講座を行うという大学側の判断で授業を決行しました。やるからには感染対策を徹底してもらい、受講者の方にはまずわたしが医学博士としてウイルスについての講義をして、マスクで講義。出席者は予定の3分の1くらいでした。

1か月以上たちましたが、結果的に感染者が現れたり、クラスター発生などを起こさなかったりしたことにほっとしています。リスクを冒してきてくれた方ありがとうございます。そして自主的に行かないというつらい決断をしてくれた方もありがとうございます。どちらの決断も真剣に悩んでくれたと思います。結果的には感染者を出さずに終われましたし、講座はとても楽しく心からやってよかったと思いましたが、やるべきだったのか、やらないべきだったのか、今でもどっちが正解だったのかわかりません。

でも、講座で共有した時間を思い出すと何だか生きる力が湧いてきます。マスクしながら「文芸」について一緒に考えていった時間。自分の気持ちを見つめた時間。いまのわたしを支えてくれる大切な時間になりました。


自分の気持ちを見つめて言葉にするということが、物事を自分の頭で考えて自分自身の答えを作り出す第一歩になる、それがわたしの講座で伝えたいことです。今までどおりのやり方が通じなくなり、たくさんの情報に振り回される今だからこそ、講座で伝えたことや伝授した小さな「技」が、自分の心を見つめて「どう生きたいか」「そのためにどうすればいいか」を考えていく手助けになればいいなと祈るような思いでいます。素敵なエッセイや言葉をたくさん書いてくれた受講者のみなさま、ぜひそれを思い出して今こそ使ってください。


気持ちを言葉にする方法についてYouTubeで解説しているので、よかったら見てみてください。(魅力的な登場人物を書くヒント―気持ちの描写について
エッセイの書き方についてnoteに記事を書いて無料公開しているので、こちらも参考にしてみてください。(エッセイの書き方の教科書のようなもの


同じ内容を9/5-6に大阪藝術学舎で行いますが、9月はどうなっているかな。また決まりましたらお知らせしますね!

■2019.12.31に書いた記事
京都造形芸術大学の公開講座「藝術学舎」での講師も今回で何回目かな。来年の2月29日-3月1日の2日間、東京の外苑キャンパス(最寄り駅:JR 総武線「信濃町駅」/東京メトロ 「青山一丁目駅」)です。

2日間というハードな講座ですが、2時間の講座では伝えられないことや実践やフィードバックもたっぷりできます。何より受講してくれる方々がみんな熱心で一生懸命聞いてくれるので、わたし自身もいつも楽しみにしています。プレッシャーもすごいですが。

文章の書き方や心の動きを書く方法などポイントを絞ってお届けしていましたが、前回は小説の書き方を1から10まで。そして今回はエッセイを徹底的にやってみることにしました。いろいろなシチュエーションのエッセイに挑戦してみることで、技術を学び、自分の人生を振り返ってみて、新たな世界が広がるような、そんな2日間になったらいいなと思っています。

いつもと少し時間帯が違うので注意してください。

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02/29(土) 13:20〜17:40

自分の気持ちを言葉で表現する練習をしていきながら、エッセイの魅力を考えていきます。

13:20-14:40 自分の気持ちを言葉にする

14:50-16:10 食べ物・日常をエッセイに書く

16:20-17:40 旅・楽しかった出来事をエッセイに書く

03/01(日) 09:30〜17:40

さまざまなテーマのエッセイに取り組みながら、作品として仕上げていくために必要な技術を学んでいきます。

09:30-10:50 負の感情をエッセイに書く

11:00-12:20 伝える技術① 説明ではなく描写をする

13:20-14:40 伝える技術② 読者目線で構成する

14:50-16:10 エッセイを書いてみる

16:20-17:00 まとめ

17:00-17:40 試験(成績評価を希望する方のみ)

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エッセイは誰でも取り組める文芸です。そしてエッセイを書く行為自体が自分の気持ちを見つめ人生を豊かにすることにつながると思っています。人生100年時代。きっと今後の財産になると思います。自分の気持ちを書く面白さと難しさをぜひ体験してみてください。

noteには「エッセイの書き方の教科書のようなもの」という連載を掲載しています。ぜひこちらも読んでみてください。そして、同じ講座を夏に大阪でやるので関西の人は待っててくださいね。

ブログでの報告が遅れましたが、2020/1/25(土)にイコーラムホールで上演した着物音楽朗読劇「装×奏×想~着物とクラシックで紡ぐ物語」を無事終演することができました。

広いホールで大丈夫かな…埋まるかな…って思っていたのに、想像以上にたくさんのお客様が来てくれて、昼公演は当日券が売り切れるほど。夜もたくさんの人に見てもらいました。そして着付けパフォーマンスとクラシック生演奏と朗読劇の組み合わせも、とても面白がってもらいました。

ヘアメイク、照明、舞台美術、音響、そして見てくれるお客様。これは本番だけのもの。わたし自身、本番が一番物語の中に入りこめて声もちゃんと出すことができた。

本番前の集合写真。

中身は語り尽くせませんが、写真をいくつか。

リハーサルの写真なのでヘアセットはされていませんが、昼の部で魔法使いがシンデレラを変身させる場面になぞらえて、地味な妹・秋子(わたし)が舞踏会に行くために華やかな着物に着替えていくシーン。侍女役に扮する和装着装士の松本久実さんと徳田敦子さんがモンティ「チャルダッシュ」の楽しく扇動的な生演奏に合わせて創作飾り帯を舞台上で魅せていくシーン。

徳田敦子さんとバイオリンの雅子さんは姉妹。お二人を中心にみなさんはパフォーマンスグループKimono Orquestaとして活躍されています。


完成した帯、こんな感じ。一本の帯からこんな造形が生まれるなんて。本当にすごい技。後ろから撮れるのはリハーサル写真ならでは。

舞台全体、昼の部はこんな感じ。

後ろの布はジョーゼットというらしい。シンデレラっぽい世界観を作ってもらいました。男性BL演劇グループから心霊系YouTuberグループに転身した?(詳細こちら)MISTの青地貴裕さんは、シンデレラの王子さまに相当する侯爵の跡継ぎ。天皇家の親戚です。偉いのです。着物も立派。そして同じくMIST所属の久保憲太郎さんはその従兄。偉いはずなんだけど洋行帰りの変わり者なので粋な着物に蝶ネクタイ。

端には語り役の樹リューリさん。小説の会話以外の地の文にあたるパートを担当。役者の演技でももちろん伝えるのだけど、見た目からはわからない複雑な想いも地の文なら表せる。その小説のよさをプロのナレーションの技で伝えてもらった。


演奏はバイオリンとピアノのみ。


着付けの動きに合わせたり、朗読の言葉のタイミングに合わせて弾く演奏のおふたり。徳田雅子さんは2歳からバイオリンをやっているそうです。演奏のみのパートのときは情熱的な心を打つ音で会場中を満たしてくれました。ピアノの鎌垣有樹子さんは言葉に寄り添う情緒的なメロディーで物語全体を包みこんでくれました。


カーテンコールの写真。


左の三人はモデル役として出演してくださった、本職は役者と着付け講師。歩き方や見せ方もすごく考えてくれて、劇中に取り入れたファッションショー部分を華麗にスマートにキュートに演出してくれました。

左から、和田明日香さん、林田あゆみさん、松本智衣さん。


ヘアメイクこんなになっておりました。

昼の部はわたしは4パターンの衣装を着せてもらいましたが、夜の部は着替えなし! 段取りがめっちゃ楽!!!(昼の部はセリフ終わって安心してる暇もなく着替えに入らないといけなかった)その代わり、物語のストーリーをつかさどる役だったのでセリフが多くて大変でした。…て、自分で書いてるわけだから自分のセリフ少なくしたかったんだけど、なにせ、着替えのない人たちが場をつなぐしかないので必然的に多くなるのでした。

本番直前の楽屋で。わたしと青地さんは着替えがない、ので、ひたすらつなぐ役。

久保さんは嵐の海に落ちて海の神である王女に助けられるので冒頭はシンプルな服。そして、王子として再び登場したときは、立派な…!王子らしい…!格好に…!

昼も夜も常人には着こなせないファッションで新たな着物世界を切り開いてくれる久保さんでした。

まあ、最後は結婚式なので正統派なかっこいい着物男子でした。

こうなってみると青地さんだけが異世界の面白い人ですね。

2年間にわたる準備期間を経て、脚本2本書いて、何度も稽古をして、とても大変だったけれど、一緒にやってくれた人たちと観に来てくれた人たちのおかげで、想像しうる限り最高の形で終えることができました。本当にありがとうございました。

感謝の言葉を言い出したらきりがないけど。

舞台のことを何も知らないのに「朗読劇やりたい」って言いだし、うろうろおろおろしてばかりの演出なのに、小難しい文学的言い回しな脚本を見事に読みこなしてわたしの表したい世界をつくってくれて、さらに演技も声もド素人のわたしを、いつも全力で面倒見てくれる(見ざるを得なくなる)このおふたりには、本気で頭が上がりません。いつか偉くなってでっかいお仕事取って来て恩返しするんだからね!

この3人で朗読ユニットTREESって名乗って、金色夜叉と斜陽と2演目やって、vol.3もやりたいなあと願い続けていたので、また一緒にできてよかったです。今まで以上に迷惑かけまくりでした。無理やりカメラマンの前に引っ張り出して嫌そうな樹リューリさんと、10歳以上年下とは思えないしっかりものすぎる柳元麻見さん。


そしてそして、制作・舞台監督の馬場美智子さん。

斜陽の舞台で照明スタッフとして入っていた美智子さんと出会って、いつか一緒に何かやりたいねって言ってて、ふつうはそんな「いつか」は口だけで終わってしまうのだけども、口だけで終わってしまうのは嫌だからと、今回の企画を持ってきてくれました。

本当にできるのかどうか、美智子さんにとっても未知数。わたしが乗るのかどうかもわからない。「ちょっと話があって…」って、明日死ぬんじゃないかみたいな深刻な感じで持ちかけてくれたの、もう2年以上前かしら。

美智子さんがいなかったらこの舞台は生まれなかった。そして長年この業界にいた人脈と知恵と経験を生かしてこの舞台を成功させてくれた。


そして、見に来てくれたひと、本当にありがとうございました!たくさん来てくれて、おかげでとってもリラックスして心から楽しんで物語を届けることができました。

大変すぎてもうこれが最後なんて言ってたんだけど、でも舞台って面白い。演技って面白い。朗読って面白い。また、何か、できたらいいな。見てくれる人がいてくれたら、またできるから。わたしが舞台をつくったら「見たい」って思ってもらえるように、腕も心も磨いていきたいです。

一度きりの舞台。物語の登場人物たちが観てくれた人たちの心の中で生き続けてくれて、ときどき思い出してくれたら幸せです。