取材執筆|岡山市立オリエント美術館 四角隆二 学芸員(SPring-8 NEWS 103号)

世界最大級の大型放射光施設SPring-8の広報誌「SPring-8 NEWS」103号は、考古学! SPring-8というのは実験施設なので、それを使って何を研究するかは本当にいろいろ。子どものころは、社会科の勉強が苦手で興味をもてなかったのだけど、改めて世界史を紐解くと本当に面白い。

取材したのは岡山市立オリエント美術館の学芸員の四角隆二さんの研究。考古美術品として博物館や美術館に保管されているものの多くは、盗品由来で、ルーツをたどることができない。かといって、破壊して中を調べるわけにもいかない。SPring-8で破壊することなく中の構造を見ることで、どのように作られたかということだけでなく、当時の社会の在り方も見えてくる。

考古学で人類の歴史のピースが埋まって、わたしたちがどう生きてきたかが見えてくる。ダーウィンの進化論の視点から人間を眺めると、また違った捉え方ができるように、人間になってからのヒトの歩みを知ると、大きな見方ができるようになる。今も昔も変わらないんだなという、驕りを手放した心地よいあきらめの中から、新しいヒントが見えてくるような気がする。

高校生のわたしに「世界史も面白いよ?」って力説したいな。でもそうしたら理系の道に進んでいなくて、別の人生を歩んでいたかもしれない。

よかったら読んでみてください。

考古美術品の失われた過去をSPring-8で取り戻す~バイメタル剣から見えた鉄器時代移行期の鉄利用~

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小説と科学を書く人― 寒竹泉美

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