いつもは理系の仕事が多いのですが、ご縁があって以前から興味があった「社会心理学」のブックライティングを手がけました。
『「答えを急がない」ほうがうまくいく あいまいな世界でよりよい判断をするための社会心理学』
三浦麻子 | 2025/2/13
著者の三浦麻子先生はバリバリ現役の大阪大学の社会心理学者。日常の中の人々の相互作用が生み出すさまざまな現象やコミュニケーションの在り方などが興味の対象。心の病を主に扱う臨床心理学と違って、社会心理学は社会生活を普通に送っている多数派の人たちが研究対象。コロナ禍で人々が変な行動をし始めたのは、なぜか。なぜ、私たちは答えを急いでしまって間違った判断をしてしまうのかなど、身近な問題をたくさん取り上げています。
ただの解説書や教科書的な内容ではなく、三浦先生の人柄が感じとれて声が聞こえるような本にしたいと思い、あれこれ試行錯誤した結果、三浦先生のX(元ツイッター)をストーカーのように読みまくり、そこに書いていある文章を取り込んだり、三浦先生になりきって新しく文を書いたりといった、ブックライティングをしました。こんなやり方、初めて。著者もライターもどっちもツイ廃(=ツイッター廃人)だったからこそ、生まれた本でした。
発売後に編集者・著者・わたしの3人でXのスペースを使って本ができるまでトークもしました。楽しかったです。アーカイブはこちらで聞けます。文字で読みたい人は記事にもなっています。
ブックライティングの仕事というのは、著者をひとりじめして本一冊分の講義を聞ける特権を得られる贅沢な仕事。だから、自分の役に立ちそうなものばかりを選んで引き受けています。心理学には昔から興味があったのだけど、理系の進路に進んだのであまり接点がなくここまで来てしまい、今回三浦先生と並走して一緒に本を作って、がっつり学部生1年分の授業を真面目に聞いて真面目にレポートを書いたくらいの知識は身に付いたのではないかな。
自分の心がなぜ思い通りにならないのか。どうしたらいいのか。この本の制作を通して、人生レベルで役立つことを、いろいろ学ぶことができました。読みやすいと評判なので、ぜひぜひ読んでみてください。
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