編集協力｜『思い出せない脳』澤田誠・著（講談社現代新書）

去年の秋くらいからせっせと取り組んできたお仕事が出版されました。著者ではなく、ブックライターとしてのお仕事です。大学院時代は脳を研究していたので、脳に関する本にまた関わることができて、わたし自身もとても勉強になりました。

『思い出せない脳』澤田誠・著（講談社現代新書）

著者の澤田誠先生は名古屋大学で脳の研究をしています。細胞や動物を使った実験をしている実験系の研究者で、経験も知識も豊富。学生向けの講義もたくさんされているので、一般の人向けにわかりやすく記憶の働きを伝えるネタが山ほどありました。

前著は『なぜ名前だけがでてこないのか―脳科学者が教える本当に正しい記憶力の鍛え方』（誠文堂新光社）の出版からちょうど10年目。最新の知見も入れつつ、先生の専門のミクログリアの話も入れつつ、新書ならではの読みやすく知的好奇心をくすぐる構成になっています。

序章 記憶力が未来を決める
第１章 記憶を作れないと、どうなるか
第２章 情動が記憶を選別する
第３章 睡眠不足が記憶の整理を妨げる
第４章 抑制が働いて思い出せない
第５章 使わない記憶は変容し、劣化する
第６章 記憶という能力の本当の意味

各章の冒頭には、ショートストーリーを書きおろさせていただきました！小説家としてのスキルも活かせて嬉しかったです。

図版はパンダせんぱいさんと一緒に作りました。

記憶の本当の役割を知ると人生変わるなと思いました。記憶はただの倉庫ではなく、無意識の選択にも感情にも深く関わっている。どんな記憶をもっているかで、日々は変わっていく。そう考えると、自分が心からいいと思うものを取り入れていきたいし、過去もちゃんと見直して記憶をメンテナンスしていきたいと思うようになったのでした。

あと、科学的な内容になっているのは保証します。ビジネスや医療以外の分野でも「記憶」とは何かという知識は必要になると思うけど、約1000円で全部網羅的にわかるので、とてもお得だと思います！

講談社のサイトで試し読み記事が随時更新されています。

気になったらぜひ、本も読んでみてください。よろしくお願いします。