【ライターのお仕事】研究者インタビュー:緊急地震速報システムの今―― 東日本大震災後の「誤報」から得たヒント

取材・執筆担当した記事が公開されました。京都大学防災研究所の山田 真澄 助教のインタビューです。

2011年「東北地方太平洋沖地震」で誤報が多かった緊急地震速報システムが、その後改善されて、新しくなったことを知っているひとはどのくらいいるのでしょうか。わたしは取材に行くまで知りませんでした。

従来のシステムにどんな課題があって、どこをどのように改善していったのか。新システムの土台となる手法を開発し、システムの実装に携わった京都大学防災研究所の山田真澄先生に話を伺ってきました。

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2011年3月11日、東北から関東にかけて東日本一帯に甚大な被害をもたらした「東北地方太平洋沖地震」は、地震の観測・研究に携わる人たちにとっても、大きな危機感を掻き立てることにもなった。三陸沖を震源として発生したこの地震は、マグニチュード(Mw)9.0、最大震度7という強い揺れを記録しただけでなく、長期間にわたって強い余震を幾度も伴った。気象庁は緊急地震速報を発表し、強い揺れが来ることを事前に警告したが、その的中率は50%を下回り、誤報の多さが大きな問題になった。 この緊急地震速報システムが改善され、新システムが2016年に実装されている。従来のシステムのどこに課題があり、それをどう改善したのだろうか。新システムの土台となる手法を開発し、システムの実装に携わった京都大学防災研究所の山田真澄助教に話を伺った。緊急地震速報とは、気象庁が運用しているリアルタイム地震警報システムである。 地震が発生すると、最初に「P波(初期微動)」と呼ばれる小さな揺れが伝わり、「S波(主要動)」と呼ばれる大きな揺れが少し遅れてやってくる。緊急地震速報は、震源に近い観測点で検知されたP波から、地震の場所や規模を推定し、揺れの大きさを周辺の住民に知らせるシステムである。緊急地震速報は、予測される最大震度が5弱以上の場合に、テレビやラジオ、携帯電話などで一般市民に向けて発表される。 気象庁が、広く社会に向けて緊急地震速報の運用を開始したのは2007年10月のことだ。運用開始から「東北地方太平洋沖地震」が発生する2011年3月11日までの間には17回の発表があった。実際の震度と予測震度の誤差が2未満であるものを適切な発表とすると、この期間の緊急地震速報は約7割が適切であった。ところが、東北地方太平洋沖地震直後に各地で大量に余震が発生したときには、このシステムによる「誤報」が大きな問題になった。2011年3月11日から2ヶ月の間に発表された70回の緊急地震速報のうち、震度の誤差が2以上になったのは、実に6割を超える44回を数えた。 なぜそのようなことが起きたのか、山田助教はこう説明してくれた。 「実は当時のシステムでは、離れたところで同時に複数の地震が起こると、区別できずにひとつの大きな地震と認識してしまう欠点がありました。たとえば、2011年3月15日に新潟でマグニチュード6クラスの余震

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